「平屋は地震に強い」と言われる理由|耐震性を高めるポイントと耐震+制震の平屋づくりについて紹介
このコラムでは、平屋が「地震に強い」「耐震性を高めやすい」と言われる理由について解説します。
木造平屋の耐震性を高める方法や、耐震と制震を組み合わせるメリットについても解説しますので、これから平屋を新築したいとお考えの方は参考にしてください。
コラムのポイント
・平屋が地震に強いと言われるのは、重心の低さと建物の軽さに加え、シンプルな構造にしやすいことが理由です。
・木造平屋の耐震性をさらに高めるには、地盤の強い土地選びや耐震等級3の取得、制震構造を組み合わせるなどの方法があります。
・地震に強い平屋を建てるなら、構造計算による耐震等級3を取得でき、実際に建てる家の間取りで耐震シミュレーションができる施工会社を選ぶのがおすすめです。
Contents
平屋が地震に強いと言われる理由
平屋が地震に強いと言われるのは、以下のような平屋ならではの耐震性を高めやすい特徴があるからです。
建物高が低く構造が安定しやすい
平屋は上階がないため建物全体の高さを抑えられ、重心の位置も低くできます。
重心が低いということは、構造が安定し、地震や強風による揺れの影響を最小限に抑えやすいということです。
逆に、建物は重心の位置が高いほど、地震のエネルギーを受けやすくなります。つまり、平屋よりも2階建てや3階建ての方が、同じ耐震性を実現するために、より強度の高い部材を選んだり、揺れを抑えるために構造を工夫したりする必要があります。
軽量化しやすい
地震によって建物にかかるエネルギーは、建物の重さに比例します。建物が重いほど地震の揺れが伝わりやすくなり、逆に、軽くなるほど揺れのエネルギーを抑えられます。
つまり、平屋は上階がない分、単位面積当たりの重量が軽くなり、地震の揺れの影響を受けづらいため、損傷しにくく、倒壊しにくい建物と言えます。
逆に、上階のある建物は、地震時に上階の重さによって下階により大きな力がかかるため、柱や壁などの構造部材に負担が集中した場合に、倒壊のリスクを高める要因になります。
シンプルな形にしやすい
平屋は、耐震性に優れる正方形や長方形のシンプルな形状にしやすい点も、地震に強いと言われる理由です。
シンプルで凹凸が少ない形状の家は、地震の際に構造にかかる力が分散され、倒壊のリスクが抑えられます。
逆に、凹凸の多い形状や、上下階の柱の位置が揃っていないなど、構造や間取りが複雑な建物は、特定の箇所に力が集中しやすくなるため、損傷や倒壊を引き起こすリスクが高くなります。
木造平屋の耐震性をさらに高める方法
平屋が地震に強いと言われるのは、重心の低さと建物の軽さに加え、シンプルな構造にしやすいことが理由です。そんな平屋の耐震性をさらに高められる方法を解説します。
地盤の強い土地を選ぶ
地震に強い家づくりの第一歩は、「地盤が強い土地選び」です。
地震時に地盤沈下や液状化のおそれがある地域など、リスクが高い土地を避けることでより地震に強い平屋になります。
原則として、住宅の新築時には地盤調査を実施します。調査の結果、軟弱地盤だった場合は地盤改良工事をするケースもあります。
地盤改良工事には数百万円程度かかることもあるため、予算オーバーにならないよう、土地選びは地盤の状態も考慮しながら検討しましょう。
地盤の状態は、地盤情報サイトやハザードマップで土地の成り立ちや地盤の弱いエリアをあらかじめ調べておくと、リスクの高い地盤を避けて土地選びができます。
〈参考〉
ハザードマップポータルサイト|国土交通省
地盤サポートマップ
耐震等級3を取得する
耐震等級の最高等級である「等級3」を取得することも、より地震に強い平屋を建てる方法の1つです。
耐震等級3は、建築基準法の最低基準である等級1の1.5倍の耐震性になります。
耐震等級3を取得した家は、震度6強~7相当の地震力に対して、建物が倒壊しないだけでなく、損傷を軽度に抑えられる高い耐震性を持ちます。
もし、地震で建物が倒壊し、家を失ってしまった場合、その後の建て替えや仮住まい、引っ越しなどの費用や手間も莫大になります。損傷を軽度に抑えられれば、大地震の後も修繕して同じ家に住み続けられる可能性が高くなります。
短い間隔で最大震度7の地震が2回発生した熊本地震における調査では、耐震等級3の木造住宅は大部分が無被害だったことからも、耐震等級3を取得するメリットは大きいと言えるでしょう。
制震システムを取り入れる
(画像引用元)テクノストラクチャーEX:震度7の巨大地震の後に住み続けられる家を建てよう|パナソニックの耐震住宅工法
「制震」とは、ダンパーと呼ばれる装置で構造を支え、地震や台風などで建物にかかる力を吸収し、揺れを軽減するシステムや構造を指します。
上記の図のように、制震ダンパーを設置した家は、繰り返す大地震によって構造にダメージが蓄積し変形量が大きくなることを防ぎます。
耐震構造で建物を強固に固めることに加え、制震システムを組み合わせることで、地震による建物へのダメージを最小限に抑え、建物の強度を長持ちさせることにつながります。
実際の間取りで地震時のシミュレーションをする
同じ工法で建てる家でも、実際に建てる形状や間取りによって、構造上の弱点や、より補強が必要な箇所などは変わってきます。
自分が住む間取りの家で耐震性能がしっかり確保できているかをシミュレーションすることも、より地震に強い家にするために重要な要素の1つです。
数値による耐震性能の確認だけでなく、実際に建てる家の間取りを再現した3Dによる「耐震シミュレーション」「地震力シミュレーション」を実施しているハウスメーカーや工務店を選ぶと安心です。
建物の劣化対策
住宅の耐震性能が正しく発揮されるためには、建物自体が劣化しにくいことも重要な要素です。
木造住宅の劣化を抑えるには、水分や湿気による木材の腐朽防止やシロアリ対策が欠かせません。
「長期優良住宅」の基準で建てた家は、構造や各部材が劣化しないための対策が施されているため、長く耐震性能を発揮できる平屋になります。
2025年(令和7年度)現在は、長期優良住宅の新築に対する税制優遇や補助金もあるため、耐震等級3取得+長期優良住宅の平屋をお得に建てられますよ。
「テクノストラクチャーEX」で繰り返す大地震に耐える木造平屋が実現
(画像引用元)強さ|ロング&スマート テクノストラクチャーの家|パナソニックの耐震住宅工法
感動ハウスでは、「繰り返す巨大地震に耐え、地震後も住み続けられる住まい」を実現する木造耐震住宅工法「テクノストラクチャーEX」の家を提供しています。
テクノストラクチャーEXの特徴を詳しく解説します。
①耐震等級3を上回る耐震性能
テクノストラクチャーEXでは、耐震等級3を上回る、建築基準法の最低基準の1.75倍※の地震力で強度確認をします。
また、繰り返し起こる大地震にも耐えられる住まいにするため、全棟構造計算を実施し、建築基準法で定められている基準よりもはるかに多いチェック項目を設けています。構造に負担のかかるほぼすべての部位の強度と、住まい全体のバランスを確保します。
※積雪量を加算して地震力を想定する場合、割増係数を1.75未満とする場合があります。
②耐震+制震システムでダメージを最小限に
(画像引用元)強さ|ロング&スマート テクノストラクチャーの家|パナソニックの耐震住宅工法
テクノストラクチャーEXでは、木と鉄を組み合わせた独自の梁「テクノビーム」を用いた高い耐震構造と、建物の揺れを吸収して損傷を抑える制震装置「テクノダンパー」を組み合わせ、建物への影響を最小限に抑えます。
テクノダンパーが建物の変形を抑え、建物にダメージを蓄積させない役割をすることで、繰り返し起こる大地震に対抗し、建物の耐震性を長く維持します。
③4D災害シミュレーションで実際に建てる家を強度確認
(画像引用元)強さ|ロング&スマート テクノストラクチャーの家|パナソニックの耐震住宅工法
テクノストラクチャーEXでは、1棟ごとに「4D災害シミュレーション」を用いて強さの検証を行います。
4D災害シミュレーションとは、検討している間取りに震度7の独自の人工地震波を3回繰り返して与え、建物の変形が抑制できているかを確認するというものです。
4D災害シミュレーションは、実際の建物で行う振動実験よりもコストを抑えつつ、自分が実際に建てる間取りの家が揺れに耐えられるかを確認できるメリットがあります。
まとめ
平屋が地震に強いと言われるのは、重心の低さと建物の軽さに加え、シンプルな構造にしやすいことが理由です。
木造平屋の耐震性をさらに高めるには、地盤の強い土地選びや耐震等級3の取得、制震構造を組み合わせるなどの方法があります。
感動ハウスは、耐震と制震を組み合わせ、4D災害シミュレーションで実際に建てる家の強さを確認できる耐震住宅工法「テクノストラクチャーEX」の正規施工店として、耐震等級3・長期優良住宅・ZEH基準の高品質なマイホームをご提供しています。
耐震性はもちろん、快適&省エネな断熱性、おしゃれなデザインや暮らしやすい間取りにもしっかりこだわります。
感動ハウスの間取りやデザイン、快適性を体感できる展示場もご用意しております。来場予約や資料請求などお気軽にお問い合わせください。