長期優良住宅のメリット・デメリット|後悔を防ぐポイントも
新築住宅の情報収集をしていると、長期優良住宅について目や耳にすることが多いですよね。
「長持ちする高性能な住宅」というイメージは分かりますが、実際の制度は少し分かりにくい部分も多いです。
今回は長期優良住宅の基本からメリット・デメリットを一つずつ確認し、後悔しない考え方を解説します。
コラムのポイント
・長期優良住宅のメリット・デメリットを把握して、予算やライフスタイルに合った選択ができるようにしましょう。
・長期優良住宅の後悔を防ぐには、工務店・ハウスメーカー選びも重要になります。
Contents
長期優良住宅とはどんな制度?
平成21年6月からスタートした長期優良住宅は、長期間良好な状態で使用できる優良な住宅を認定する制度です。
- 長期に使用するための構造及び設備を有していること
- 居住環境等への配慮を行っていること
- 一定面積以上の住戸面積を有していること
- 維持保全の期間、方法を定めていること
- 自然災害への配慮を行っていること
上のような国が定めた条件をクリアした住まいが、長期優良住宅として認定を受けることができます。
大地震や台風などの災害に耐え、メンテナンスを仕組化することで長く暮らせる住まいを増やすのが大きな目的です。一定基準以上の床面積や居住性など、暮らしやすさへの配慮も必要になります。
長期優良住宅のメリット
快適な家で長く安心して暮らせる
省エネ性能の高い長期優良住宅は、外気の影響を受けにくく快適な生活を送ることができます。また冷暖房効率が良いので、光熱費を節約できるのも大きなメリット♪
住まい全体の断熱性を高めるとお部屋ごとの温度差が少なくなるため、ヒートショックなどの健康リスク軽減にもつながります。
長期優良住宅は耐震性の基準も定められている点も、地震大国の日本では大きなメリットと言えるでしょう。倒壊リスクが少ない安心感に加えて、地震による建物のダメージが少ないため補修費用も抑えることができます。
住宅ローン控除の優遇
新築住宅でほとんどの方が活用する住宅ローン控除は、長期優良住宅を選ぶと優遇措置を受けることができます。
住宅性能 | 借入限度額 | |
令和4・5年入居 | 令和6年入居 | |
長期優良住宅・低炭素住宅 | 5,000万円 | 4,500万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 |
省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 |
その他の住宅 | 3,000万円 | 0円 |
長期優良住宅はほかの住宅性能より住宅ローン控除の借入限度額が拡大されているため、費用負担の軽減につながります。
減税・贈与税非課税額増枠
長期優良住宅を建てる場合、住宅取得にかかる税金や贈与税の非課税枠が増えるなどのメリットもあります。
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 固定資産税
- 贈与税
上記の税金に対して減額・優遇措置が用意されていて、イニシャルコスト・ランニングコストともに負担を軽減できます。
補助金など金銭的メリット
長期優良住宅の性能基準を満たすと、補助金対象になり建築費用を軽減できる金銭的メリットも発生します。
- 長期優良住宅補助金 上限:140万円/戸
- こどもエコすまい支援事業 上限:100万円/戸
上記のように100万円以上の補助金もあるので、かなり初期費用の軽減につながります。
補助金の内容や金額などは時期によって変わりますので、最新情報はお気軽にお問い合わせください。
資産価値が高いので売却時有利
耐久性が高くメンテナンス記録がしっかり残る長期優良住宅は、資産価値が落ちにくく売却時に有利なのも意外なメリットです。
今までの一戸建ては築30~40年前後での建て替えが前提だったため、ある程度年数が経つと建物価格はほとんど残りませんでした。
しかし長期保全計画が定められる長期優良住宅は、建物の状態が分かりやすいため次に購入する人にとって安心感があります。
良い状態をキープできれば資産価値も落ちにくいので、売却益も出やすくなるでしょう。
長期優良住宅のデメリット
維持保全計画に則ったメンテナンスが必要
長期優良住宅は建てた後の定期メンテナンスを前提としているため、一般住宅より維持管理の手間やコストが掛かります。
申請時に提出する維持保全計画に則ったメンテナンスが必要となり、怠ると長期優良住宅認定を取り消されてしまう可能性もあります。
点検のタイミングは10年以内で、地震や台風などの災害発生時は臨時点検を行う必要も。点検や修繕の内容は記録・保管が義務付けられているため、これらの作成にも手間と費用が掛かります。
ただしこうした維持管理は本来どの家でも実施すべき内容なので、住まいの耐久性という視点で見るとメリットにもなります。
定期点検が義務付けられていることでトラブルを早期発見でき、ムダな出費を防ぐことができるかもしれません。
入居までの期間が延びる
長期優良住宅は別途書類作成や申請手続きが発生するため、入居までの期間は延びるのもデメリットと言えるかもしれません。
所轄行政から長期優良住宅の認定を受けてから着工するため、通常の注文住宅よりスタートも遅れます。
少し時間がかかることを事前に把握しておき、余裕のあるスケジュールを組む必要があるでしょう。
ただし長期優良住宅の経験が豊富なビルダーなら、書類作成や申請手続きがスムーズに進む傾向があります。
建築コストが高くなる
長期優良住宅は耐震性や断熱性など一定の性能基準を満たす必要があるため、一般的な注文住宅より建築コストは高くなる傾向があります。
いわゆるローコスト住宅の費用と比較すると、坪単価・総工費が高く見えるかもしれません。
しかしもともとしっかりした家づくりをする中堅~大手ハウスメーカーと比べると、それほど大きな差にはならないでしょう。
長期優良住宅は光熱費や税金が安くなるので、初期費用が高くなっても長い目で見ればオトクになるケースも多いです。
長期優良住宅の後悔を防ぐポイント
メリット・デメリットを比較検討する
前述したように長期優良住宅にはメリット・デメリットが両方あるため、フラットな目線で比較検討することが大切です。
費用面を例に挙げると、長期優良住宅はロングスパンで計算すると金銭的メリットが大きいのは確かです。しかし初期費用は高くなるため、ギリギリの住宅ローンを組むと生活が苦しくなり後悔してしまうかもしれません。
また資産価値が高いのは大きなメリットですが、売却せず住み続けるならあまり意味はないでしょう。
メリットばかりに目を取られて長期優良住宅を選ぶと、後悔してしまう可能性が高いです。
最近は長期優良住宅が標準仕様の工務店・ハウスメーカーも増えていますが、メリット・デメリット両方を包み隠さず説明してくれる会社に相談するのがおすすめです。
実績の多いビルダーを選ぶ
長期優良住宅の家を建てると決めた場合は、実績の多いビルダーを選ぶ事も大切なポイントです。長期優良住宅は耐久性や性能が高いのは事実ですが、それだけで良い家になるとは言えません。
ただ基準をクリアするだけでなく、暮らしやすい工夫やコストパフォーマンスの良い間取りアイデアの提案も必要です。長期優良住宅の実績が少ないビルダーだと、基準をクリアするのに手一杯で家づくり面がおろそかになってしまう可能性が考えられます。
長期優良住宅の実績が多く、得意とするハウスメーカー・工務店を選んでみてください。
まとめ
長期優良住宅にはメリット・デメリットが両方あるため、しっかり把握したうえで比較検討して選びましょう。
ご予算やライフスタイルによっては、長期優良住宅がもたらすメリットは大きいものです。しかしデメリットの方が大きくなり、後悔してしまうケースも考えられます。
フラットな目線で一つの選択肢として、長期優良住宅が必要かどうか考えてみてください。
私たち感動ハウスは、茨城県・栃木県で長期優良住宅に対応しているハウスメーカーです。
あえて長期優良住宅を標準仕様にせず、お客様のご予算・ライフスタイルに合わせてご提案しております。
メリット・デメリット両方しっかりお伝えいたしますので、ぜひお気軽にご質問・ご相談ください。