ベランダのない家のメリット・デメリット|外観や間取り事例、後悔を防ぐポイントも解説
最近、新築一戸建てでベランダやバルコニーを作らないケースが増えています。
このコラムでは、ベランダのない家のメリット・デメリットについて解説します。
ベランダなしの家で後悔を防ぐポイントや、外観や間取りの実例も紹介しますので、家づくりの参考にしてくださいね。
コラムのポイント
・ベランダのない家は、建築コストや掃除・メンテナンスの手間を抑えられるなどのメリットがあります。
・洗濯物を外干ししない方や、コストを抑えたい方は、ベランダを設置しないのも1つの選択肢になるでしょう。
・ベランダは洗濯物干し以外にもさまざまな用途に使えるため、メリット・デメリットや暮らしの優先順位を考慮した上で検討しましょう。
Contents
ベランダやバルコニーがない家が増えている理由
新築で「ベランダやバルコニーを作らなかった」という人の理由を調べてみると、以下のような声が見られました。
- ・1階で洗濯家事が完結するのでベランダはいらない
- ・花粉PM2.5、土埃、排気ガスなどが気になるので、布団や洗濯を外に干したくない
- ・ベランダは掃除やメンテナンスが面倒
- ・雨や雪が多い地域なので雨漏りや躯体へのダメージが気になる
- ・敷地条件の都合上、小さいベランダしか作れないから
- ・周囲の視線にさらされやすいベランダになるので使わなくなりそう
最近は洗濯物を外干ししない方も多く、「洗濯物を干す用途にしか使わないなら、ベランダはいらない」という方も増えてきています。
ベランダ(バルコニー)のない家のメリット
一戸建ての新築でベランダ(バルコニー)を作らない場合、具体的にどんなメリットがあるのかまとめます。
初期建築コストが下がる
ベランダを作らない場合、外壁材や防水工事、排水管などの施工費がかからないため建築コストが抑えられます。
防水の種類や立ち上がり(手すり)の素材などによっても変わりますが、ベランダを設置すると数十万円~100万円程度、建築コストがアップします。
防水などの定期メンテナンス費用が不要になる
屋外で雨や紫外線にさらされるベランダは、耐久性を保ち雨漏りを防ぐために、定期的なメンテナンスが必要になります。
ベランダの防水加工に多いFRP防水やウレタン防水の場合、一般的に10~12年程度で再防水工事が必要なほか、防水層を長持ちさせるために、5年に1回程度のトップコートの塗り直しも推奨されています。
防水の種類や施工範囲によっても異なりますが、10㎡のベランダの再防水工事にかかる費用は5~20万円程度、トップコートの塗り直しは1~10万円程度が目安です。
ベランダを採用する際は定期的なメンテナンス費用も踏まえた資金計画が必要になるでしょう。
ベランダからの雨漏りリスクがない
ベランダのない家は、ベランダが原因となる雨漏りリスクがないという点もメリットになります。
前述のとおり、ベランダは定期的にメンテナンスしていないと、防水層が傷んだ部分から漏水し、ひいては壁の内部や室内への雨漏りを引き起こし、多額の修繕費用がかかってしまう可能性もあります。
掃除の手間がかからない
ベランダを作らない場合、定期的な点検、掃除の手間がかからない点もメリットと言えます。
ベランダは枯れ葉や泥、ホコリなどを定期的に取り除くほか、鳥によるフンの掃除なども必要です。
汚れがたまると排水口や管が詰まって雨漏りの原因になったり、落としにくいコケやカビが発生したりしやすくなります。
防犯上の不安が減る
警察庁が発表している令和5年の侵入窃盗の侵入手口を見ると、一戸建て住宅の侵入窃盗は「窓」からが半数以上です。
侵入口は「無締まり(カギが施錠されていない)」状態の窓から侵入するほか、「ガラス破り」の手口で侵入したものも多く、足場がある2階ベランダから侵入するケースもあります。
ベランダを作る場合、防犯対策として地上の物置やエアコンの室外機などがベランダへの足場にならないように留意する必要があります。
ベランダを設置しない場合、外部からの侵入経路を減らせるという点で防犯面の安心感が向上します。
ベランダ(バルコニー)のない家のデメリット・注意点
一戸建てでベランダを作らない場合のデメリットについてもまとめます。新築時にベランダが必要か判断する際の参考にしてください。
2階で外干しができない
ベランダがない場合、2階で外干しができないことがデメリットとして挙げられます。
風が強い地域では、外に干すと洗濯物が飛んでいくので屋根のあるベランダがあって助かったという声や、子どもの部活で洗濯物が大量だった時期に便利だったという声も。
2階の寝室に近い位置にベランダがあれば、布団やシーツなど大きなものも気軽に天日干ししやすくなります。
ベランダにエアコンの室外機を設置できない
ベランダがない家は、2階のエアコン室外機をベランダに設置できない点も注意が必要です。
ベランダがない場合、2階のエアコン室外機は1階や屋根上に置く、壁掛け、天井吊りなど特殊な方法になり、設置工事費が少し高くなります。
また、長くなりがちな配管は、外壁と色を合わせるなどの工夫でデザインに溶け込ませるのがおすすめです。
外部とつながる空間が少なくなる
ベランダのない家は、2階での屋外とのつながりが少なくなる点もデメリットです。
ベランダでアウトドアリビングのように青空を見ながらくつろいだり、花火を見たりなど、2階ならではの眺望の良さを活かした楽しみ方ができなくなります。
ベランダ下の雨・日よけが別に必要になる
1階の窓の上にベランダがあると、日よけ代わりに夏の直射日光を遮ってくれます。
また、ベランダは雨よけにもなるので、1階の窓や玄関ポーチの上にベランダを配置している家も少なくありません。
ベランダを設置しない場合、1階部分の雨・日よけ対策として、軒を出したり、ひさしや外付けブラインドを設置したりする工夫が必要になります。
2階に掃き出し窓を設置しにくい
ベランダのような外につながる空間がないと、2階に掃き出し窓を設置しづらい点もデメリットになります。
一般的に、安全面を考慮して2階でベランダやバルコニーに続いていない場所に掃き出し窓は設置しません。
そのため、大きな窓からの日射取得や換気効率、外観デザインの自由度の面でベランダのない家は若干劣る場合があります。
外観デザインに影響する
ベランダは機能面のほかに、外観のアクセントになるという一面もあります。
ベランダの手すりのデザインや色をポイントにして、外観にメリハリを付けることもできます。
ただし、ベランダがない場合でも、上の写真のように、すっきりとしたシルエットを活かしたシンプルモダンデザインをはじめとした、おしゃれな外観は実現できます。
ライフスタイルや生活上のこだわりは、一人ひとり異なります。今回紹介したベランダのない家のデメリットが気になる場合は、ベランダを設置することも検討してみましょう。
ベランダのない家で後悔を防ぐ間取りづくりのポイント
ベランダやバルコニーのない家を建てる場合に知っておきたい、後悔を防ぐためのポイントをまとめます。
布団干し場所を考えておく
ベランダを作らない場合、布団やシーツなど大きなものを干す方法や場所をあらかじめ考えておきましょう。
ベランダのない家でも、庭や1階にウッドデッキがあれば布団干しはできます。
他にも、布団乾燥機を使う、階段や2階吹き抜けの手すりに干すなどのアイデアもあります。
また、最近の家は24時間換気システムなので布団も室内干しで十分という声もありました。さまざまなケースを想定して、ご自身が納得できる方法を考えておくと後悔を防げます。
ランドリールームやサンルームを検討する
最近は、花粉が気になる、共働きで夜しか干せないなどの理由で、室内干しスペースのある「ランドリールーム」や「サンルーム」のある間取りを採用したりする人も増えています。
庭干しをしない方や、雨の日の室内干しスペースが欲しい方は、日当たりがよく洗濯物が乾きやすいサンルームが便利です。
サンルームは主に、エクステリアの分類の外付けタイプ(いわゆるテラス囲い)と、室内に部屋として作るタイプの2種類があります。
サンルームは洗濯機や衣類収納場所から近い場所に作ると使いやすくなりますよ。
参考コラム
まとめ
ベランダのない家は、建築コストや掃除・メンテナンスの手間を抑えられるなどのメリットがあります。
洗濯物を外干ししない方や、メンテナンスコストを抑えたい方は、ベランダを設置しないのも1つの選択肢になるでしょう。
ただし、ベランダは洗濯物干し以外にもさまざまな用途に使えるため、メリット・デメリットや暮らしの優先順位を考慮した上で検討しましょう。
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