洗面所の間取りアイデア|独立型・一体型のメリット・デメリットとポイントを解説
使用頻度の高い洗面所は、注文住宅の間取りの中でもこだわりたい箇所の1つですよね。最近では、脱衣所と一体化したオーソドックスな洗面所だけでなく、さまざまな配置や動線を取り入れたバリエーション豊かな洗面所の間取りがあります。
そこで今回は、独立型や一体型などさまざまな間取りアイデアを取り入れた洗面所を紹介し、使いやすい空間にするためのポイントを解説します。使い勝手の良い洗面所を作りたいという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
コラムのポイント
・洗面所には2つの間取りタイプがあり、脱衣所などと洗面所を組み合わせる「一体型」と、玄関などに洗面台だけを設置する「独立型」に分かれます。
・施工事例を参考にしながら、洗面所の広さ・レイアウト・動線などを考え、ご家族の暮らしに合わせた間取りを取り入れましょう。
洗面所の役割とは
▶施工事例:開放感溢れる勾配天井のある高気密高断熱の平屋-宇都宮市 O様邸-
洗面所はその名の通り「洗面化粧台」が設置してある空間のことです。 具体的には次のような用途があります。
- ・手洗いとうがい
- ・歯磨き
- ・朝に身だしなみを整える
- ・入浴後のスキンケアやヘアケア
- ・洗濯物のつけ置き
他にも、お住まいの方によって様々な使い方がありますよね。 洗面所は用途が幅広いため、使い勝手の良い間取りはご家族によって異なります。ご自身にとってベストな洗面所の配置や動線について考えてみましょう。
洗面所の間取りは2種類
洗面所の基本的な間取りは「一体型」と「独立型」の二種類です。 それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介します。
一体型
▶施工事例:家族時間を楽しむ中庭と明るいリビングのある平屋-下野市 H様邸-
一体型とは、洗面所と脱衣所が1つの空間にまとまっていて、浴室に隣接している間取りです。洗面所・脱衣所・ランドリールームを一体化して、広々とした洗面所を作るケースもあります。
一体型の洗面所のメリットを紹介します。
- ・様々な作業を同時並行できる
- ・空間同士を行き来する手間がない
- ・水回りを省スペースでまとめられる
脱衣所と洗面所が一体になっていれば、お風呂を出てから着替え・スキンケア・ドライヤーなどを同じ空間でできて効率的です。各空間の行き来が不要のため、効率的に家事や身支度をすることができます。 また、洗面所と脱衣所・ランドリールームを一体化できれば、省スペースでまとめることが可能です。その分、LDKを広くするなど、生活スタイルに合った間取りを採用できます。
一体型の洗面所のデメリットを紹介します。
- ・生活感が出る
- ・来客時に入浴や洗濯がしにくい
- ・思春期のお子様が嫌がる可能性がある
- ・家族の身支度や入浴の時間が被ると狭くなることも
脱衣所と一体型の洗面所は、洗濯物や浴室が見えて生活感が出てしまうというデメリットがあります。来客時に洗面所が片付けられていなくて後悔したというケースや、入浴や洗濯がしづらいという声も。家族間でも、使うタイミングが被ってしまってストレスになるかもしれません。脱衣所やランドリールームと一体型の洗面所にする場合は、収納量や広さにこだわって、整理整頓できて使いやすい空間にするように心掛けましょう。
独立型
▶施工事例:コンパクトで機能的!暮らしも趣味も楽しむ家-つくば市 S様邸-
独立型の洗面所とは、洗面所だけが独立して配置されているタイプです。脱衣所やランドリールームとは別空間にあり、ご家庭によってどこに配置するかも異なります。
独立型の洗面所のメリットは次の通りです。
- ・おしゃれな洗面所を作りやすい
- ・生活スタイルに合わせて洗面所の位置を決められる
- ・来客時にも洗面所を貸しやすい
- ・入浴中でも気兼ねなく洗面所を使える
洗面化粧台だけが配置された空間のため、デザイン性にこだわりやすく、おしゃれな空間を作りやすいです。造作洗面台やお気に入りのタイル壁を施工した独立洗面所は人気があります。また、動線やプライバシー面などを考えて洗面所を配置できるため、ご家族も来客も使いやすい空間にすることが可能です。浴室から洗面所を離せば湿気が気になりにくいため、入浴後のヘアセットやメイクがしやすいとの声もあります。
独立型の洗面所のデメリットを紹介します。
- ・動線が長くなって効率が悪くなることがある
- ・一体型と比べて床面積が必要
洗面所を独立させると、脱衣所などと距離ができて家事や身支度の効率が悪くなるケースもあります。暮らしを具体的にイメージして、洗面所の位置を考えることが大切です。また、洗面所・脱衣所それぞれのスペースが必要になり、建物全体の床面積が大きくなったり他のスペースが狭くなることも。空間ごとの広さのバランスを考えながら、独立型・一体型を検討しましょう。
洗面所の間取りアイデア5選
一体型・独立型の洗面所をそれぞれ採用した、間取りのこだわりポイントを紹介します。
【一体型】洗面所・脱衣所・ランドリールームの広々空間
広々とした空間に、洗面所・脱衣所・ランドリールームを一体化させた間取りです。手前には使用頻度の高い洗面台を配置し、真ん中には洗面・入浴・洗濯すべてのタイミングで使える便利なカウンター収納を配置。1番奥には、窓から外干しもできるように洗濯機を置けるようにしています。壁紙や床材にもこだわって、おしゃれで使い勝手の良い一体型洗面台が完成しました。
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【一体型】水回りスペースを1ヵ所に集結させた間取り
こちらの間取りでは、建物の北側に横一直線で水回りスペースをまとめました。浴室→ランドリールーム→トイレ→洗面所→ファミリークローゼットとつながる動線で、身支度や家事をスムーズに進めることができます。白で統一したシンプルな内装デザインは、清潔感が大切な洗面所にぴったりです。
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【独立型】帰宅後すぐに手洗いができる玄関の洗面所
玄関を入った正面に独立型の洗面所を配置した間取りです。帰宅後すぐに手洗い・うがいができ、来客にも気兼ねなく使ってもらえるような空間です。タイルや洗面ボウル、カウンターなどのデザイン性にもこだわり、玄関のデザイン性が上がるような洗面スペースに仕上げました。
▶施工事例:コンパクトで機能的!暮らしも趣味も楽しむ家-つくば市 S様邸-
【独立型】トイレ横に配置した玄関ホールの洗面所
こちらの住まいも玄関に洗面台を配置した事例です。壁で仕切ってあるため、玄関に来客がいるタイミングでも使いやすいというメリットがあります。洗面台本体は機能性の高い既製品を採用し、洗面台周りはパネル材で仕上げるなど、使いやすさやお手入れのしやすさにもこだわりました。
▶施工事例:開放感溢れる勾配天井のある高気密高断熱の平屋-宇都宮市 O様邸-
【独立型】洗面所とキッチンの間にある洗面所
キッチンと脱衣所をつなぐ動線上にある洗面所の間取りです。頻繁に行き来する空間の通り道に洗面台を配置することで、暮らしの効率性がアップします。LDKと洗面所はアーチ状の下がり壁で緩やかに仕切って、半独立型のような空間に。脱衣所とは扉で完全に仕切れるようにして、プライバシー面にも配慮しました。
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洗面所の間取りを考えるときのポイント
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使いやすい洗面所にするための間取りのポイントを紹介します。
①用途に合った広さを考える
▶施工事例:家族とつながる、明るく開放的な住まい -筑西市 A様邸-
洗面所の用途に合わせて適切な広さを考えましょう。広すぎる洗面所では他の空間を圧迫してしまいますし、狭すぎると使いにくくなってしまいます。
独立型の洗面所なら1~2畳のスペースを確保するケースが多いです。脱衣所と一体型の洗面所なら2~3畳程度、ランドリールームも付け加えるなら3畳以上のスペースがあると使いやすいでしょう。
収納スペースや室内干しの有無なども考慮しながら、使い勝手がいい広さの洗面所を採用してくださいね。
②具体的にしまうものを考えて収納計画を立てる
洗面所は意外と物が多い空間のため収納計画がとても大切です。
独立型の洗面所なら、スキンケア・ヘアケア用品やタオル類などの収納場所をしっかりと確保しましょう。細々した物が多いため、洗面台本体の収納を上手く活用したり、奥行きの浅い収納を作ったりすることをおすすめします。
脱衣所やランドリールームと一体型の洗面所の場合、次のようなアイテムの収納場所もあると便利です。
- ・バスタオル
- ・下着やパジャマ
- ・ハンガー
- ・洗剤類の詰め替え
- ・アイロン
置き型収納を後から買い足すと洗面所が狭くなってしまい、使いにくくなってしまうこともあります。入れる物・場所を具体的に考えながら造作収納を採用し、洗面所がすっきり整理整頓できるようにこだわってみてくださいね。
③使い勝手を考えて設備のレイアウトを決める
▶施工事例:夫婦と愛犬が快適に暮らせるジャストサイズの平屋-常総市 H様邸-
一体型の洗面所にする場合は、様々な設備が1つの空間に配置されます。そのため、使いやすさにこだわった設備のレイアウトを決めることが大切です。
上の写真を例に具体的に考えてみましょう。入口の近くに洗面台があって奥に洗濯機があるので、洗濯を干しているときに家族が洗面台と他の空間を行き来しても気になりませんよね。窓側に洗濯機があれば、外干しもしやすいです。この配置が反対だった場合、家族が洗面台を使うたびに洗濯機の前を通る必要がありますし、外干しするために洗濯物を窓際まで運ばなければなりません。
このように少しのレイアウトの違いによって、快適性に大きく差が付くことも。日頃の生活ルーティーンをできるだけ具体的に思い出し、効率的かつストレスがないような間取り作りをしましょう。
④動線にこだわることで暮らしの効率化につながる
▶施工事例:回遊性のある間取りで広々空間を実現。デザインと暮らしやすさの調和がとれた家-筑西市 Y様邸-
洗面所の位置を決めるときは、周りの空間とのつながりを考えることも大切です。洗面所は様々なタイミングで使うため、複数の動線が確保できていると使い勝手が良くなります。
例えば、玄関に独立洗面所がある場合、帰宅後は使いやすくても朝晩の身支度には不便かもしれません。そこで、玄関・脱衣所・LDKからアクセスしやすいような間取りにすることで、効率的な動線を作ることができます。洗面所がどの空間の近くにあると便利かを考えて、各空間の配置を決めましょう。
まとめ
洗面所は1日に複数回使う空間のため、使い勝手にこだわって作りたいですよね。注文住宅なら生活スタイルに合わせて、独立型・一体型の洗面所を採用することができます。独立型なら玄関やLDKの近くに、一体型なら脱衣所やランドリールームと組み合わせた洗面所が人気です。ご家族の暮らしを改めて振り返り、効率的かつ使いやすい間取りの洗面所を作りましょう。
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