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長期優良住宅の税制優遇まとめ|固定資産税などの軽減制度と申請方法を解説

長期優良住宅の固定資産税軽減措置

このコラムでは、長期優良住宅の新築で受けられる、固定資産税や不動産取得税、登録免許税などの軽減措置についてまとめています。

一定の耐震性や断熱・省エネ性能を確保した長期優良住宅は、一般住宅よりも建築コストが高めですが、その分税金やフラット35の金利、地震保険割引率などさまざまな優遇措置が設けられています。

優遇制度を活用することで、お得に高性能で長く安心して住める家づくりができますので参考にしてくださいね。


コラムのポイント

・マイホームを長期優良住宅で建てると、一般住宅よりも2年間長く、家屋の固定資産税が1/2になる優遇措置を受けられます。

・長期優良住宅は、新築時の住宅ローン控除や、登録免許税・不動産取得税・住宅資金の贈与にかかる贈与税の減税についてもより優遇されます。

・長期優良住宅は性能確保のために通常よりも建築費用が増えますが、減税制度や補助金を活用することで、負担を最小限に抑えることも可能です。


 

長期優良住宅の新築で受けられる固定資産税の減税制度

長期優良住宅の新築で受けられる固定資産税の減税制度

長期優良住宅の戸建てを新築した場合、家屋部分の固定資産税減額措置の適用期間が一般住宅よりも2年間延長されます。

具体的には、長期優良住宅の戸建てを新築した場合、2階建て以下なら5年間、3階建て以上なら7年間、家屋部分の固定資産税が半額になる税制優遇が受けられます。  

 

〈新築住宅の家屋部分の固定資産税減額措置〉

住宅の種類 一般住宅特例 長期優良住宅
2階建て以下の戸建て 3年間 1/2 5年間 1/22年間延長)
3階以上の中高層耐火住宅やマンション 5年間 1/2 7年間 1/22年間延長)

※令和8年3月31日までに新築された住宅が対象となります。

(参考) 国土交通省ホームページ|新築住宅に係る税額の減額措置 総務省ホームページ|固定資産税の概要

 

例として、家屋部分の固定資産税評価額3,000万円の2階建て長期優良住宅を新築した場合の、固定資産税の軽減効果を計算すると以下のようになります。

3,000万円 × 1.4% × 1/2 × 5年間 = 5年間で105万円の軽減  

 

適用を受けるための主な要件・範囲

減額の対象となるのは以下の住宅になります。

  • 専用住宅(居住のみを目的として建てられた住宅)または併用住宅で居住部分の割合が1/2以上の住宅
  • ・住宅の床面積が50㎡以上280㎡以下であること(面積要件を坪数に換算すると約15.125坪~84.7坪の範囲)
    ※貸家の場合は40㎡以上280㎡以下になります。一般住宅の特例を受ける場合も上記と同じ要件になります。
  • 減額範囲は床面積が120㎡(約36.3坪)まで
    ※床面積が120㎡を超える場合は、120㎡分に相当する部分のみが減額対象になります。

 

申請方法

長期優良住宅の新築で固定資産税の特例を受けたい場合は、長期優良住宅認定通知書またはその写しを添付して市区町村に申告します。

参考として、茨城県つくば市の申請方法は以下のようになっています。

〈つくば市の場合〉

  • 建築工事着手前に、長期優良住宅の認定申請手続きをする(つくば市建築指導課)
    ※建築工事着手後の認定はできません。工事着手前に建築確認及び当該認定を受ける必要があります。
  • ②認定を受ける
  • ③住宅完成
  • ④固定資産税の減額手続きをする(つくば市資産税課)
    完成した年の翌年の1月31日までに申告する必要があります。

 

固定資産税の減額手続きは、申告窓口(つくば市資産税課)で申告するか、家屋新築後の家屋調査時に調査員へ必要書類を提出する方法で行います。

ご自身が家を建てる自治体のホームページで申請方法を確認しておきましょう。

(参考)つくば市ホームページ|長期優良住宅に対する固定資産税の減額措置

 

長期優良住宅の固定資産税に関するQ&A

長期優良住宅の固定資産税に関するQ&A

長期優良住宅の固定資産税についてよくある質問をまとめました。  

長期優良住宅の固定資産税は6年目から高くなる?

前章で解説したとおり、長期優良住宅の新築による固定資産税軽減措置は、2階建ては5年間、3階建ては7年間で終了します。

5年目、7年目以降は家屋部分の固定資産税が元の計算方法に戻るため、税額が高くなる可能性があります。

ただし、建物の評価額は経年劣化による価値の減少を考慮した補正(経年減点補正率)によって年々下がっていくため、単純に家屋部分の固定資産税が5年目、7年目の2倍になるわけではありません。

(参考)千葉県佐倉市公式ウェブサイト|家屋の評価について

 

長期優良住宅を建てると土地部分の固定資産税も安くなる?

長期優良住宅の新築について、土地部分の固定資産税軽減措置はありません。

土地の固定資産税については、住宅1戸につき200㎡までの部分の課税標準額が6分の1になる小規模住宅用地の特例などの軽減措置があります。

(参考)千葉市ホームページ|固定資産税:住宅用地とその特例について教えてほしいのですが。

 

中古で長期優良住宅を購入した場合も固定資産税の減免制度はある?

現在、中古で長期優良住宅を購入した場合の減免制度はありませんが、中古住宅を長期優良住宅化リフォームすることで固定資産税を軽減する措置を受けられる可能性があります。

要件を満たすことで、翌年分の家屋部分の固定資産税が2/3減額されます。

中古住宅の新規購入・既存の持ち家のリフォーム両方で利用可能です。

(参考)国土交通省ホームページ|住宅リフォームにおける減税制度について|長期優良住宅化リフォーム(固定資産税)

 

長期優良住宅新築で受けられる固定資産税以外の減税制度

長期優良住宅新築で受けられる固定資産税以外の減税制度

固定資産税の軽減以外に、長期優良住宅の新築、取得で受けられる減税制度(税制優遇)を紹介します。  

 

所得税の減税制度

住宅ローン控除

長期優良住宅・低炭素住宅などの認定住宅を新築、取得した場合、住宅ローン控除が適用される借入限度額が4,500万円になる優遇制度があります。

 

〈住宅ローン控除の概要(令和7年入居の場合)〉

新築/中古の分類 住宅性能 借入限度額 控除期間 床面積要件

新築住宅

買取再販住宅

長期優良住宅・低炭素住宅 4,500万円 13年間 50㎡以上
ZEH水準 3,500万円
省エネ基準適合住宅 3,000万円
既存(中古)住宅 長期優良住宅・低炭素住宅 ZEH水準 省エネ基準適合住宅 3,000万円 10年間
その他の住宅(省エネ基準を満たさない住宅) 2,000万円

 

長期優良住宅を新築する場合、4,500万円を限度額として、毎年の住宅ローン残高の0.7%が13年間、所得税から控除されます。

新築で住宅性能別の13年間の最大控除額は以下のようになります。

  • 長期優良住宅・低炭素住宅:409.5万円
  • ZEH水準:318.5万円
  • 省エネ基準適合住宅(最低基準):273万円

※所得税から控除しきれない額は翌年の住民税からも一部控除されます。

 

つまり、3,000万円以上ローン残高がある場合は、借入限度額が大きいほど控除できる額が大きくなるため、長期優良認定住宅で建てると最も所得税の節税効果が高くなると言えるでしょう。

ただし、翌年の住民税からも控除しきれなかった分は減税されないため、所得税・住民税の額によっては最大控除額に届かない場合もあります。

事前にご自身のケースで減税効果をシミュレーションすることをおすすめします。

その他の要件などの詳細は国土交通省のホームページで確認できますので参考にしてください。

(参考)国土交通省ホームページ|住宅ローン減税

 

投資型減税 (認定住宅等新築等特別税額控除)

長期優良住宅の新築における投資型減税の概要

(画像引用元)国土交通省ホームページ|認定住宅等新築等特別税額控除(投資型減税)について

 

投資型減税は、住宅ローンの利用にかかわらず、高性能住宅を新築した場合に利用できる所得税の減税制度です。

要件を満たして長期優良住宅、低炭素住宅、ZEH水準住宅を新築した場合、性能を確保するためにかかる標準的な費用の10%が、その年の所得税額から控除されます。

※控除しきれない場合は翌年分の所得税から控除。令和7年12月31日までに入居した人が対象

性能を確保するためにかかる標準的な費用(標準的な性能強化費用相当額)は、家屋の床面積×45,300で算出し、上限は650万円となっています。

例えば、床面積120㎡の長期優良住宅を新築した場合の性能強化費用相当額は120㎡×4万5,300円=543万6,000円となり、所得税から控除される額は543,600となります。

 

登録免許税の減税制度

長期優良住宅を新築すると、所有権保存登記・所有権移転登記の税率が一般住宅特例より引き下げられる優遇制度があります。

〈新築住宅の登録免許税軽減措置〉

登録免許税 本則税率 一般住宅特例 長期優良住宅
所有権保存登記 0.4% 0.15% 0.1
所有権移転登記 2.0% 0.3% 戸建て:0.2 マンション:0.1

※令和9年3月31日までに取得した人が対象

(参考)国土交通省ホームページ|認定長期優良住宅に関する特例措置

 

不動産取得税

長期優良住宅を新築すると、不動産取得税の課税標準からの控除額が一般住宅特例より増額されます。

  • ・一般住宅:1,200万円 → 長期優良住宅:1,300万円

※一戸建ての場合住宅の床面積が50㎡以上240㎡以下であることが必要

(参考)国土交通省ホームページ|認定長期優良住宅に関する特例措置

 

上記のように、新築住宅では評価額から1,200万円を控除できますが、長期優良住宅の場合は100万円多い1,300万円を控除して計算できます

家屋部分の評価額3,000万円の長期優良住宅を新築した場合、不動産取得税の課税標準額は3,000万円 - 1,300万円 = 1,700万円となり、不動産取得税は1,700万円 × 4% = 68万円となります。

 

住宅取得等資金にかかる贈与税の非課税措置

住宅取得等資金にかかる贈与税の非課税措置とは、父母や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築・取得やリフォームなどの資金を贈与された場合に、一定額まで贈与税が非課税になる制度です。

非課税限度額は通常500万円ですが、新築する住宅が「質の高い住宅」の要件を満たすと、1,000万円に上乗せされます。

新築住宅の場合、「質の高い住宅」に該当するには以下の①~③のいずれかを満たす必要があります。

  • ①省エネルギー性能:ZEH水準⇒断熱等性能等級5以上(結露の発生を防止する対策に関する基準を除)かつ一次エネルギー消費量等級6以上
  • ②耐震性能:耐震等級〔構造躯体の倒壊等防止〕2以上または免震建築物
  • ③バリアフリー性能:高齢者等配慮対策等級〔専用部分〕3以上

現行の長期優良住宅の省エネルギー性能は①のZEH水準と同じため、これから長期優良住宅を新築する場合、贈与税の非課税枠の上乗せ条件を満たせます。

新築にあたって親御さん等から資金援助を受ける予定の方は、制度を活用することで贈与税の負担を抑えられます。

(参考)
国土交通省ホームページ|住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
国税庁ホームページ|No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

 

長期優良住宅新築で受けられるその他の優遇制度

長期優良住宅新築で受けられるその他の優遇制度

長期優良住宅を新築すると利用できる、減税以外の優遇制度を紹介します。

 

長期優良住宅はフラット35で優遇金利が適用できる

住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」は、長期優良住宅などの質の高い住宅を取得する場合に、一定期間借入金利の引き下げが受けられます。

 

〈「フラット35S」金利引き下げメニュー(2025年3月31日までの申込受付分に適用)〉

①【フラット35】S(ZEH) 当初5年間金利0.75%引き下げ
【フラット35】S(金利Aプラン) 当初5年間金利0.5%引き下げ
【フラット35】S(金利Bプラン) 当初5年間金利0.25%引き下げ

(参考)住宅金融支援機構ホームページ|【フラット35】Sの対象となる住宅

 

長期優良住宅の新築の場合は、ZEH基準も満たしているなら最も引き下げ幅の大きい①を適用でき、それ以外の場合は②か③が適用できます。

②金利Aプランと③金利Bプランの違いは主に耐震等級やバリアフリー性の違いです。耐震等級が3またはバリアフリー対策等級4以上なら、Aプランが適用できます

詳しい技術基準などはフラット35Sのページで確認できますので参考にしてください。

 

長期優良住宅の新築で地震保険の割引が適用される

地震保険は耐震等級に応じた割引率が適用されます。

等級 地震保険料割引率
耐震等級1 10%
耐震等級2 30%
耐震等級3 50%

(参考)財務省ホームページ|地震保険制度の概要

木造の長期優良住宅の場合は等級2以上が基準となるため、地震保険料は30%または50%の割引が受けられます。

 

まとめ

マイホームを長期優良住宅で建てると、一般住宅よりも2年間長く、家屋の固定資産税が1/2になる優遇措置を受けられます。

また、新築時の住宅ローン控除や、登録免許税・不動産取得税・住宅資金の贈与にかかる贈与税の減税についても、長期優良住宅のような質の高い住宅はより優遇されるようになっています。

長期優良住宅や低炭素住宅、ZEH住宅は性能確保のために通常よりも建築費用が増えますが、減税制度や補助金を活用することで、負担を最小限に抑えることも可能です。

感動ハウスは、茨城、栃木エリアで長期優良住宅や低炭素住宅等の認定住宅や、ZEH住宅、構造計算による耐震等級3にも対応する地域密着型の住宅会社です。

お施主様のマイホーム新築にあたってご要望を丁寧にお伺いし、減税制度や補助金を活用しながら、高性能な家づくりをお手伝いします。

感動ハウスの間取りやデザイン、快適性を体感できる展示場もご用意しております。来場予約や資料請求などお気軽にお問い合わせください。

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感動ハウス編集部

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