【親から子どもへ】土地の贈与税がかからない3つの節税制度
「子どもが新築を建てられるように土地の購入資金を贈与したい」
「持っている土地を贈与税がかからないで譲ることはできるの?」
住宅購入資金は高額になります。そのため、子どものマイホーム建設のためにサポートしたいと思う親も多いかと思います。ですが「贈与はしたいが無駄な税金は支払いたくない!」ですよね?
結論からいいますと贈与税を支払わずに土地を贈与することはできます。非課税枠内での贈与であれば税金を支払う必要はありません。
そこで今回は「贈与税がかからないための3つの節税制度」「土地購入資金以外にも贈与する場合に利用できる2つの節税制度」「土地をそのまま贈与する場合の評価額の計算方法」を解説します。
【コラムでわかること】
- ・利用できる節税制度3つ
- ・土地の贈与以外にも利用できる節税制度2つ
- ・現金ではなく土地をそのまま贈与する際の計算方法
Contents
土地の贈与税をかからないようにするために利用できる制度
【利用できる節税制度】
- ・「住宅取得等資金贈与の特例」
- ・「暦年贈与」
- ・「相続時精算課税制度」
順番にわかりやすく解説します。
「住宅取得等資金贈与の特例」最大1,000万円が非課税
住宅購入のための贈与が「最大1,000万円まで非課税」になる制度です。2021年末までは最大1,500万円まででしたが、1,000万円に縮小されて2023年末まで利用することが「令和4年度税制改正大綱」で閣議決定されています。
住宅購入のための資金だけではなく、住宅を建てる目的とした土地購入にも利用することができます。しかし、贈与を受けた年の翌年3月15日までに新築していることなどの条件があります。
【住宅の性能によって非課税枠が異なる】
住宅の性能 | 非課税枠 |
耐震・省エネ・バリアフリー住宅 | 1,000万円 |
上記以外の住宅 | 500万円 |
【特例を利用できる条件】
- ・贈与を受ける側の年齢「18歳以上」
- ・贈与者は直系卑属「両親や祖父母」
- ・贈与を受ける側の合計所得「2,000万円以下」
- ・床面積が「40㎡以上240㎡以下」かつ「2分の1が居住スペース」
【特例の特徴】
- ・最大1,000万円まで非課税
- ・非課税枠内でも申告は必要
- ・「暦年贈与」と併用できる
1,000万円まで非課税なので納税する必要はありませんが、所轄の税務署へ申告は必要になります。
「暦年贈与」年間110万円まで非課税
毎年110万円までの贈与であれば贈与税はかかりません。1,000万円など一度に大きな金額の贈与をすることはできませんが、大きな金額を一度に贈与したことで自分たちの生活資金が後から足りなくなってしまったということがおこりにくくなります。
また、暦年贈与は税務署に申告する必要がないので気軽に利用しやすい制度です。
【暦年贈与の特徴】
- ・毎年110万円が非課税
- ・「住宅取得等資金贈与の特例」と併用できる
- ・申告する必要がない
「相続時精算課税制度」2,500万円まで非課税
2,500万円までの贈与が非課税になります。こちらの「相続時精算課税制度」は「住宅取得等資金贈与の特例」と併用することができるため、2つの制度を合わせて利用することで最大3,500万円までの贈与に税金がかからなくなります。
一番効果が大きいように見えますが「相続時精算課税制度」は贈与税はかかりませんが、代わりに贈与した方が亡くなった際の相続時に相続税として支払うことになります。簡単にご説明すると贈与税が相続税に代わるだけです。
税金を支払うタイミングが後ろにずれるだけなのでお得に感じられませんが、相続時には「基礎控除」を利用することができます。相続される財産が基礎控除内であれば税金はかかりません。
【基礎控除額の計算】
3,000万円×(600万円×法定相続人)=基礎控除額
法定相続人が3人いた場合には、4,800万円が基礎控除になります。そのため、基礎控除内に相続財産が収まりそうな場合には「相続時精算課税制度」を利用して贈与税を支払わないという方法をとることもできますね。
【特例の特徴】
- ・2,500万円まで非課税
- ・「住宅取得等資金贈与の特例」と併用できる
- ・「暦年贈与」とは併用できない
- ・贈与税はかからないが相続税に加算される
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その他の贈与がかからないための制度
土地の購入資金以外にも子どもをサポートするために贈与を非課税にできる制度があります。
「教育資金の贈与」1,500万円まで非課税
平成25年4月1日~令和5年3月31日までの期間に30歳未満の直系卑属「子ども・孫など」であれば1,500万円までの教育的資金が非課税になる制度です。「教育資金非課税申告書」を提出することが必要になります。合計所得1,000万円以下が対象になります。
注意点として、贈与された教育資金を使い切らずに贈与者が亡くなった場合には、使い切っていない金額は相続税の対象になります。しかし、受贈者が23歳未満や学校などに在籍している場合には相続時に加算されることはありません。
参考サイト:直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税|国税庁
「結婚や子育て資金の贈与」1,000万円まで非課税
平成27年4月1日~令和5年3月31日までの期間に20歳以上50歳未満の直系卑属「子ども・孫など」が結婚や子育てに充てる資金の贈与であれば1,000万円まで非課税になります。「結婚・子育て資金非課税申告書」を提出する必要があります。合計所得1,000万円以下が対象になります。
教育資金の贈与と同様に贈与者が亡くなった場合に、使い切っていない部分は相続税に加算されます。
参考サイト:直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税|国税庁
現金ではなく「所有している土地を贈与」する場合
所有している土地を贈与する場合には、土地にいくらの価値=評価額があるのかを計算する必要があります。
【計算方法は2種類】
- ・路線価方式
- ・倍率方式
路線価方式の計算方法
一般的には路線価方式を利用して計算します。路線価とは1㎡あたりの土地の基準となる単価になります。「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2種類がありますが、贈与税を計算する場合には、国税庁が設定している「相続税路線価」を使用します。路線価は国税庁のHPから閲覧することができます。財産評価基準書|国税庁
【路線価方式の計算方法】
路線価×補正率×土地の面積=評価額
例:300,000円×0.95%×150㎡=42,750,000円(評価額)
補正率とは、土地の形状によって評価を減額させるためのものです。補正率表|国税庁
倍率方式の計算方法
路線価の設定がない土地では「固定資産税評価額」を使用します。固定資産税評価額は役所から毎年送付される「課税明細書」で確認することができます。また、役所で申請してもらうこともできます。
【倍率方式の計算方法】
固定資産税評価額×評価倍率
評価倍率とは国税庁が設定した倍率になります。評価倍率表|国税庁
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土地の贈与税がかかる場合
無償で土地の名義を変更
土地の名義人を親から子どもへ無償で変更した場合には贈与税がかかります。親子で一緒に住んでいる住宅や土地だったとしても所有者が変更になるため贈与になります。
市場価格より安く売買
親が所有している土地を実際の市場価格より著しく安い価格で子どもに売買した場合には「みなし贈与」になり贈与税がかかる場合があります。「著しく安い価格」には明確な定義がありませんが「80%未満の価格」は対象になる可能性が高くなります。
まとめ
土地の贈与税は高額になりやすいため、節税制度を利用することでお子さんの住宅購入をサポートしやすくなりますね。非課税枠内で土地の購入資金や土地そのものを贈与することで贈与税はかかりません。今回ご紹介した節税制度を上手に利用してみてくださいね。
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