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地震に強い家はどんな家?形・構造・間取りの特徴やハウスメーカーの選び方

地震に強い家の特徴

このコラムでは、地震に強い家形や構造、間取りの特徴と、耐震性の高い家づくりのポイントを解説します。

地震に強い地盤を探す方法やハウスメーカーの選び方、感動ハウスが採用している木造で耐震等級3を取得しやすいテクノストラクチャー工法についても紹介しますので、家づくりの参考にしてください。

 


コラムのポイント

・地震に強い家づくりは、建物自体の耐震性の高さ、地盤の強さ、建ててからも耐震性を保つ定期的なメンテナンスなど、さまざまな要素で実現できると言えます。

・長く安心して住めることに加えて、間取りやデザインの希望もかなえる家づくりをするためには、耐震性の高い家づくりの実績があり、アフターフォロー体制の整ったハウスメーカーを選ぶことがポイントです。


 

地震に強い家の3つの特徴

はじめに、地震に強い家の特徴を3つの条件に分けて解説します。

①地盤が強い

地震に強い地盤のイメージ

全ての建物は地面の上に建てられています。強い地盤に建てることが地震に強い家づくりの第一歩になります。

地盤の良し悪しはエリアの地形、地質などさまざまな要素が関連してきますが、主に次のような特徴で見分けられます。

 

〈地震に強い地盤の特徴〉
  • ・固い地質を持つ地盤(丘陵地や山地、台地など)
  〈注意が必要な地盤の主な特徴〉
  • ・新しい地層の低地
    軟弱かつ不安定な地盤が多い
  • ・切土と盛土が混在している造成地
    →切土と盛土で地震時の揺れ方が異なり、建物にねじれが生じることがある
  • ・砂質地盤
    ・砂を使った埋立地
    ・昔河川だった地域(水に関する地名がついていることも多い)
    ・地下水位が高い地盤
    液状化のリスクがある

 

地盤の状態は通常の地図では判断が難しいですが、地盤情報サイトやハザードマップで土地の成り立ちや地盤の弱いエリアをあらかじめ調べておくとリスクの高い地盤を避けて土地選びができます。

〈参考〉

ハザードマップポータルサイト|国土交通省
地盤サポートマップ

原則として、住宅の新築時には地盤調査を実施し、軟弱地盤だった場合は地盤改良工事をするケースもあります。

地盤改良工事には数百万円程度かかることもあるため、事前に地盤の状態を見極め、土地購入費用と合わせて予算オーバーしないように土地選びをすることが重要です。  

 

②建物の耐震性が高い

耐震等級1・2・3の説明

強い地盤を選ぶことに加えて、建物自体の耐震性を高めることが、地震に強い家づくりの基本と言えます。

建築基準法では、震度6以上の地震で建物が倒壊しない耐震性を最低基準として義務付けています。建築基準法で定められている耐震性の最低基準を「耐震基準」と言います。

一方「耐震等級」は、「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」によって定められている基準で、耐震性能の違いによって1から3にレベル分けされています。  

等級 耐震性
耐震等級1 建築基準法の耐震基準と同程度の耐震性 ・百年に一度程度発生する規模の地震による力(東京における震度6強~7相当)に対して、倒壊・崩壊しない ・数十年に一度程度発生する規模の地震による力(東京における震度5強相当)に対して、損傷を生じない
耐震等級2 耐震等級1の1.25倍の耐震性 ・災害時の避難所として使用される学校などの公共施設は等級2を満たす必要がある
耐震等級3 耐震等級1の1.5倍の耐震性 ・警察署や消防署などは等級3を満たす必要がある

 

耐震等級では震度6強~7相当の地震を「百年に一度程度発生する」と想定していますが、直近の日本で最大震度7相当の地震は、2024年1月の能登半島地震や2018年9月の北海道胆振東部地震、2016年の熊本地震など想定を超える地震が続いています。

また、熊本地震では耐震等級3の住宅は大部分が無被害か経度の損傷だったことから、大地震による建物被害を抑えるためには等級3で建てることが有効であると言えるでしょう。

(参考)熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会 報告書について|国土交通省  

 

③定期的にメンテナンスされている

地震大国と言われる日本では、大きな地震が短い期間に繰り返し起こることもあります。また、地震に遭った後も安全に住み続けるためには、適切な補修や定期的なメンテナンスが欠かせません。

地震に強い家とは建てて終わりではなく、地震被害を受けた際の点検や補修、耐震診断などのメンテナンスをしっかり実施し、強さを保ち続けられる家とも言えるでしょう。

逆に、建築された際に耐震性が高い設計がなされていても、その後のメンテナンスがしっかりと実施されていなければ、経年劣化などにより災害時の被害が大きくなるリスクがあります。

次章からは、地震に強い家の形や構造、間取りなど具体的な条件を解説します。    

 

 

地震に強い家はどんな形?

四角形に近い「シンプルな形状」

四角形に近いシンプルな形の2階建て

正方形や長方形のようなシンプルな四角形の家は、地震力を壁と天井、床の6面でバランスよく受け止められるため、構造的に安定しやすく、耐震性を高めやすい形状です。

逆に、凹凸が多い建物は地震の際に揺れの力が集中する点が偏り、そこから破損が起きやすくなります。

例えば、広いビルトインガレージのように1階部分に柱が少ない部分がある間取りや、2階の一部分が張り出したハングオーバーと言われる形状は、耐震性を確保するために設計難易度や部材のコストが高くなる傾向があります。  

 

背の低い「平屋」

耐震性を高めやすい平屋建ての家

1階と2階で地震や台風時の揺れ方が異なると感じた方も多いのではないでしょうか。

建物は高い部分ほど揺れが強くなりやすいため、1階部分のみの平屋は地震や台風で揺れにくく耐震性を高めやすい家と言えます。    

 

 

地震に強い家の構造とは

地震に強い木造住宅構造のイメージ  

住宅構造の種類と特徴

住宅の構造の種類は、主に使われる部材によって「木造」「鉄骨構造」「鉄筋コンクリート構造」の3種類に分けられます。また、それぞれの構造で工法による違いもありますので、1つずつ順番に解説していきますね。  

木造

木造は、木材を主な材料とした最も一般的な住宅構造です。  

特徴

  • ・軽量で耐震性が高い
  • ・鉄骨造やRC造比べてコストを抑えやすい
  • ・吸湿性や断熱性にも優れる

主な工法

  在来軸組構法 ツーバイフォー構法
特徴 土台・柱・梁などの構造部材を組み上げて建物の骨格を作る方法 2×4インチ、2×6インチなどの断面寸法からなる木材で作ったフレーム(枠)に構造用合板を貼ったパネルで建物を組み上げる方法。枠組壁工法とも呼ばれる
メリット 設計上の制約が少なく間取りの自由度が高い パネル(面)で建物を支えるため耐震性を高めやすく工期が短い
デメリット 部材の接続など細部まで職人の高い技術が必要 間取りリフォーム時に制限が出ることも

 

鉄骨造(S造)

鉄骨造は鉄や鋼を主な材料とした鉄骨を使った住宅構造で、S(Steel)造とも呼ばれます。  

特徴

  • ・強度が高く柱を減らして広い空間を作れる
  • ・地震の揺れに対して粘り強さを持ち建物へのダメージを軽減する
  • ・熱を伝えやすい素材のため断熱性を高める工夫が重要

主な工法

  軽量鉄骨造 重量鉄骨造
特徴 鉄骨造のうち、厚みが6mm未満の鋼材を使った構造。鉄骨でできた柱、梁、筋交いで建物を支えるため構造は在来軸組工法に似ている 鉄骨造のうち、厚みが6mm以上の鋼材を使った構造。厚く強靭な部材で高層住宅にも対応可能
メリット 部材の精度が高く強度が安定している 部材に厚みがありより強度に優れ、大空間が作れる
デメリット 重量鉄骨造より間取りやリフォームの自由度は低い 木造、軽量鉄骨造よりコストが高い

 

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造は、鉄筋とコンクリートが一体になって建物を支える構造です。鉄筋を芯とした型枠にコンクリートを流し込んだ強度の高い部材を使います。RC造とも呼ばれます。

特徴

  • ・耐震性・遮音性・耐火性が高い
  • ・法定耐用年数が高く資産価値を長く維持できる
  • ・木造・鉄骨造よりコストが高い

主な工法

  壁式構造 ラーメン構造
特徴 鉄筋コンクリートの壁で建物を支える構造 鉄筋コンクリートの柱と梁で建物を支える構造
メリット 柱や梁がないすっきりした空間になる 大きな開口部や自由な間仕切りが可能
デメリット 壁の量を確保するため間取りやリフォームに制約が出ることも 室内に大きな柱や梁が露出するためインテリアに影響する

 

どの構造・工法でも耐震等級3は取得できますが、部材の強度が高いRC造や重要鉄骨造などは、柱の少ない大空間があっても耐震性を上げやすいため、間取りの自由度も高いと言えるでしょう。

例えば、ビルトインガレージのある家は構造が弱くなりやすいため、1階部分だけをRC造にするケースもあります。

どの構造を選ぶかは、地盤の強さや土地の条件、予算、間取りやデザインの希望などさまざまな要素から総合的に判断する必要があります。ハウスメーカーを選ぶ際は、建てたい構造や工法の実績が多い会社に相談しましょう。

 

耐震・制震・免震構造とは?

制震構造のイメージ

家づくりでどの素材や工法を選ぶ場合も、耐震性を高める工夫として「耐震」「制震」「免震」の3つの構造が用いられます。それぞれの特徴は次のようになります。

耐震構造 建物自体の強度を高める構造 壁の量を増やす、強度の高い部材を使う、接合部を強固にするなどの方法がある
制震構造 柱・梁・土台などに「制震ダンパー」と呼ばれる揺れを吸収する装置を設置して地震や台風による建物の変形を抑える構造
免震構造 基礎と建物の間に「免震装置」を設け、地盤と建物の縁を切ることで地震エネルギーが建物に伝わらないようにする構造

耐震と制震を組み合わせるなど、ハウスメーカーによって独自の工夫がされているため、それぞれの特徴や具体的に期待できる効果はホームページや見学会などで確認しましょう。    

 

 

地震に強い家にする間取りの工夫

地震に強い家にする間取りの工夫

次に、耐震性の高い家にするための間取りの工夫を紹介します。  

 

柱や梁の位置を上下階で揃える

2階建て以上の家では、1階と2階で柱や壁の位置を揃えることで、構造的に安定し耐震性もアップします。

また、建物の外側に1階と2階を貫くように立てる「通し柱」も、建物全体を支えて構造を安定させるために重要です。  

 

耐力壁をバランスよく配置する

地震に強い間取りづくりにおいては、建物の強度や耐震性を高めるのに重要な「耐力壁」をバランス良く配置することも大切です。

耐力壁の配置が偏っていると、地震の力によって建物に変形やねじれが発生し、損傷や倒壊が起こりやすくなります。  

〈バランスの良い耐力壁配置のポイント〉
  • ・建物の隅角部に設ける
  • ・上下階の耐力壁の位置をできるだけ合わせる
  • ・建物全体で偏りなく配置する

 

間取り図では、上下階の柱や耐力壁の位置が揃っているかどうかもチェックしておきたいポイントです。

ただし、構造のゆがみを補うために、柱や梁、壁をやみくもに増やせば、希望の間取りが実現できなくなる可能性があります。

建物に必要な強度と実現したい間取りのバランスを考えながら設計されているかどうかが大切なポイントです。  

 

 

高耐震の木造住宅「テクノストラクチャー工法」とは

地震に強い家づくりができるテクノストラクチャー工法について

テクノストラクチャーは、パナソニックが開発した木材と鉄を組み合わせた「テクノビーム」という梁を使った、耐震性の高い住宅工法のことです。

木材の弱点を鉄で補うことで強度を高め、住まい全体に高い耐震性や設計自由度を持たせています。

テクノストラクチャーで建てる注文住宅は、全棟が許容応力度計算による耐震等級3の家になり、2016年の熊本地震でも、テクノストラクチャーの建物は全壊・半壊ともに0棟と高い耐震性能が証明されています。  

 

テクノストラクチャー工法の新築施工事例

感動ハウスは、パナソニックの施行認定を受けたハウスビルダーとして、テクノストラクチャー工法の家を地域の皆さまにお届けしています。テクノストラクチャー工法で建てた新築施工事例をご紹介します。  

シンプルで機能性の高いホテルのような暮らしができる家

テクノストラクチャー工法の注文住宅実例(外観)

もともと、パナソニックの建材工場で働いていたE様ご夫婦。製品の性能は十分ご存じだったことから、耐震性の高い家づくりとしてテクノストラクチャー工法を選ばれました。

テクノストラクチャー工法の注文住宅実例(LDK)

落ち着ける空間にしたいLDKと寝室はあえて天井高を2.2mに下げ、こもり感を出しリラックスできる空間に仕上げました。

テクノストラクチャー工法の注文住宅実例(家事動線)

家事動線にもこだわり、、キッチンと洗面所、ランドリールーム、ファミリークロークをどの部屋からも行き来できるように4面が隣り合った間取りにしました。すべての部屋を隣り合わせたことで、キッチンから小さな円を描く形で、水回りを一周できます。

機能性にこだわり暮らしの質を高め、シンプルな空間でリラックスできる大満足の住まいになりました。

▶︎施工事例:ホテルライクに暮らす家-芳賀郡益子町 O様邸-

 

 

地震に強いハウスメーカー選びのポイント

地震に強い家を建てるハウスメーカー選びのポイント

最後に、地震に強い家を建てるためのハウスメーカー選びのポイントをまとめます。  

構造や耐震等級をチェック

まずはハウスメーカーが得意とする構造・工法や、対応できる耐震等級をチェックしましょう。

どの構造・工法を選ぶかによって、建築コストやメンテナンスコスト、間取りの自由度などが変わってきます。

耐震等級については、等級3相当で建てられるかだけでなく、認定取得まで可能かもチェックしておきたいポイントです。

耐震等級3の認定取得は、第三者である評価機関に依頼する必要があるため追加費用や手間がかかりますが、地震保険の割引率が高くなる、フラット35でより低金利のプランが利用できるなどのメリットもあります。  

 

耐震性と間取り自由度のバランスが取れているか

家のプランニングを考える上では、建物の耐震性能と間取りの自由度のバランスが取れていることが重要になります。

例えば、耐震性を高めるために柱や梁、壁を増やすことで、希望していた広いLDKの間取りが実現できなければ、完成した住宅への満足度や暮らしの快適性が低下してしまうかもしれません。

安全性と暮らしやすさを両立したバランスの良い家を建てるためには、以下のような視点でハウスメーカーを検討してみましょう。

  • ・耐震性を確保しつつ間取りの自由度も高い工法を採用しているか
  • ・採用している工法の実績があり口コミの評価が高いか
  • ・耐震と制震を組み合わせるなど地震に強い構造の工夫があるか

 

アフターフォロー体制が整っているか

前章でも解説したように、日本では大地震が繰り返し起こる事例も多いため、被害に遭った際に住宅を適切に修繕することや、定期的に点検・メンテナンスすることがとても重要です。

細かな異変でも報告・相談しやすい体制があり、定期的な点検やメンテナンスの実施、家の耐震性能を保つアドバイスなどのフォローができるハウスメーカーを選びましょう。    

 

 

まとめ

地震に強い家づくりは、建物自体の耐震性の高さはもちろん、地盤の強さや災害リスクの低い立地、建ててからも耐震性を保つ定期的なメンテナンスなど、さまざまな要素で実現できると言えます。

長く安心して住めることに加えて、間取りやデザインの希望もかなえる家づくりをするためには、耐震性の高い家づくりの実績があり、アフターフォロー体制の整ったハウスメーカーを選ぶことがポイントです。

感動ハウスは、長く安心して住める耐震性に優れた木造住宅工法『テクノストラクチャー』で建てる家をご提案します。耐震等級3の取得はもちろん、大きな吹き抜けや柱なしの大空間、スキップフロアなど自由度の高い間取りの家づくりが可能です。茨城・千葉エリアで地震に強い家づくりをお考えの方はお気軽にお問い合わせください。

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